契約者本人が自殺により死亡すると消費者金融の債務はどうなる?

「死んで帳消し…」にはならない時代

契約者本人が自殺により死亡すると消費者金融の債務はどうなる?

 

貸金業法が改正され完全施工となったのは2010年のこと。それ以前には「消費者金融は街金、サラ金」などと呼ばれていた時代です。貸金業法も明確なものではなく、「貸金業者に有利な法律」でした。

 

借り手である債務者死亡により、消費者金融が保険金を受け取る。いわゆる消費者信用団体生命保険です。

 

消費者信用団体生命保険とは

債務を持ったまま契約者が死亡した、もしくは重度障害で返済不能になった場合、消費者金融や金融機関などには保険金がおりて残債務に充当される仕組みです。

 

借金を残したまま死亡すれば、そのマイナスとなる負債も財産となり相続の対象になります。相続放棄をすればいいという簡単なものではありません。土地、家屋、プラスの財産もすべてあきらめなくてはならないからです。

 

そのため消費者信用団体生命保険は「悪」ではなく、残された家族の負担をなくすることを目的としたものでした。現在、消費者金融はその取扱いを中止しています。例えば2006年にプロミスが「消費者信用団体生命保険取り扱い中止のお知らせ」を通知しています。

 

2006年、消費者信用団体生命保険が社会問題化

当時消費者金融が利用者との契約時に消費者信用団体生命保険の加入を原則としていました。必ず契約書には記載があり同意が必要であり、同意しなければ契約ができず、融資は行われないというものです。

 

※ただし大半は「保険加入同意」のみが記載されており生命保険会社の名前は記載されていません。

 

消費者金融が保険料を支払いますが、借りて死亡により借金相当額最高300万円までの保険金を消費者金融側が受け取ります。

 

金融庁の指導で「債務者自殺で債務回収となれば、取り立てが苛酷になる可能性」が指摘されています。返済が滞納していても死亡すれば債務回収ができる仕組みです。

 

2005年、当時の消費者金融大手5社で受けた死亡保険金の件数は3万9880件です。そのうち自殺による死亡保険金は3694件と、およそ1割。

 

「自殺して解決を望む」債務者が多かった現実があります。

 

連帯保証人より安全策だった

現在こそ少なくなっている連帯保証人制度、実は、連帯保証人よりも消費者信用団体生命保険は安全策だったのではないかという意見は少なくありません。

 

というのも、連帯保証人とは「自己の債務ではない返済」の責任が発生するもの。自分の債務ではないのに返済の義務があります。また多くの場合、「断り切れずに」連帯保証人になってしまったケースです。

 

平成27年の自殺者は24025人

家庭問題、仕事関係、人間関係、病気。人が命を絶たなければならないほどの問題は千差万別です。その中でも圧倒的に大きな割合を占めているのが経済、生活問題です。

 

平成28年9月10日〜16日までは厚生労働省が自殺予防週間として啓発活動を行います。

 

日本貸金業協会にもその周知徹底が厚生労働省から依頼されています。現在は、消費者金融が消費者信用団体生命保険に加入していることはほとんどありません。「死んで帳消し」にはならない時代です。

 

もし今、借金を苦に考えておりこのままでは生活が立ちいかない状況になるのであれば、再スタートをきらなくてはなりません。一つに借金をまとめれば返済ができるかもしれません。どうしても返済ができない状況なら債務整理もあります。

 

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これから先の道は、絶つのではなく仕切り直しも十分にできるのではないでしょうか。