アパートマンションローンの契約で重要な3つのポイント

アパート・マンションローンとは?

最近では一般個人においてもアパートやマンション経営に参加する人も増えています。インターネット広告などでもサラリーマン向けのアパート・マンションの経営が宣伝されています。

 

しかし一般個人の方がアパートやマンションなどを建築・経営するのは、大抵は自己資金で賄うことはできず、まとまった資金の調達が必要になります。どれだけ素晴らしいアパート建築・経営のプランができても、資金調達がうまくいかなければ、そのプランを実現することはできません。

 

一般的に資金調達には銀行などのローンを利用することになりますが、上手に借入できなければ絵に描いた餅に終わってしまいます。賃貸物件活用の融資については、土地や建物を担保として銀行などの金融機関が商品化しています。

 

その商品は「アパート・マンションローン」と呼ばれています。土地や建物を担保とする融資には「住宅ローン」があり、長期で低金利のまとまった資金を借入することができます。

 

一方「アパート・マンションローン」は、住宅ローンと同様、もしくは融資上限金額や期間などはるかに上回る条件の商品が、賃貸融資に積極的な銀行などで商品化されています。

 

アパート・マンションローンとプロパーローンの違いは?

金融機関で賃貸物件向けの資金調達を考えた際、「アパート・マンションローン」以外にも「プロパーローン」の検討が考えられます。まずは2者の違いを説明してみましょう。

 

アパート・マンションローン

主に都市銀行・信託銀行・地方銀行などが定型の商品としているローンのことです。
サラリーマンなどの一般個人を対象としており、以下のような条件を満たす必要があります。

 

  • 家賃収入以外に給与収入があること
  • 融資の返済期間が建物の耐用年数以内であること
  • 融資額が担保評価額範囲内であること

 

これらの条件から不動産賃貸業を専業としている個人などは、対象とならないことが多いようです。また高齢者名義でアパート・マンションローンを建築し、相続税対策としての活用を検討するケースにおいても、将来的な相続時のトラブルを考慮して敬遠している金融機関も多いようです。

 

1件当たりの融資上限金額は、金融機関により異なりますが、一般的には2億円が相場となっています。

 

メリット @勤務先が公務員や上場企業などの場合、高額の継続安定収入が見込めることから、審査が有利となる。

A金融機関にもよりますが、団体信用生命保険に無料で加入できる。
安定継続収入があるという意味で、審査が有利となります。

デメリット @保証料が発生する

A基本的に制度外の条件が認められない。

 

プロパーローン

主に地方銀行や信用金庫が扱う定形外の一般融資のことです。保証会社の保証を付けずに、銀行が直接融資を行うローンのことで、先のアパート・マンションローンでは条件的に該当しないものの、十分返済可能な案件の場合に適用されます。

 

メリット @保証料が発生しない

A担保評価が多少下回っていても、十分返済可能と認められると融資を受けることができる
B高齢者・年金生活の方など、定形外のケースでも融資を受けることができる
Cアパート・マンション以外の店舗・商業ビルなどでも対応可能

デメリット @審査基準が厳しい

A団体信用生命保険をつける場合は、別途費用が必要

 

融資スタイルの違いを洋服に例えてみると、アパート・マンションローンは既存服、プロパーローンはオーダーメイドといえるのでしょうか。アパート・マンションローンは属性が優良なサラリーマン向けであるのに対し、プロパーローンは形式に当てはまらない方向けのローンです。

 

こう説明するとプロパーローンが望ましいと思われるかもしれませんが、プロパーローンは地方銀行や信用金庫などが地元の方に対して行うのが一般的です。資産背景に合わせて、これまでの取引内容も審査においてかなり重要視されます。

 

賃貸物件向け融資は、借入金額が高額で、しかも20年、30年と長期に渡って返済していくものです。しっかりとした計画のもと、自分にあったものを比較・検討して見つけるようにしましょう。

 

提携ローンと非提携ローンの違いは?

アパート・マンションローンには「提携ローン」と「非提携ローン」の2種類があります。

 

「提携ローン」とは、主に金融機関と住宅メーカーなどが提携を行い、融資の受付業務などを業者に委託して行う融資のことです。

 

大手銀行などは大手メーカーを中心に融資案件のシェアを高める意味から、積極的に提携関係を結んでいます。
審査基準が緩めに設定されていることから、条件的に少々厳しい案件でも、建設費の満額で融資が下りるケースも多くあります。

一方「非提携ローン」とは、金融機関と提携関係のない小規模の地元工務店などからの紹介案件のことです。

 

提携ローンに比較すると、やや審査基準が厳しくなっており、同条件の案件でも提携ローンに比べて融資金額が減額されるといったケースも多くあります。

 

このような説明を聞くと「アパート・マンションなら大手金融機関と提携を結んでいる大手メーカーが有利なのでは」と思われるかもしれません。しかし大手メーカーでは、全体的に建築費が高めとなり、採算面で厳しくなることもありますので注意が必要です。

 

アパート・マンションローンの契約で重要な3つのポイント

アパート・マンションローンに限りませんが、ローンを契約する上では重要なポイントが3つあります。

「金利」「返済期間」「借入金額」の3つです。

この3つのポイントで契約以後の返済金額が異なってくる点を具体例を挙げて考えてみましょう。

 

金利3.5%、返済期間35年、借入金額5,000万円→返済総額86,791,033円

金利を1.0%低く契約する場合

  • 金利2.5%、返済期間35年、借入金額5,000万円→返済総額75,073,995円

わずか1.0%の金利の差でも、総返済額が1,000万円以上差が出てきます

 

返済期間を10年間短縮して契約する場合

  • 金利3.5%、返済期間25年、借入金額5,000万円→返済総額75,093,535円

10年間返済期間を短縮することで、毎月の返済額は増加しますが、最終的な返済総額は1,000万円以上の差が出てきます。

 

借入金額を500万円減額して契約する場合

  • 金利3.5%、返済期間35年、借入金額4,500万円→返済総額78,111,929円

500万円借入金額を軽減することで、返済総額は約868万円少なくなります。

 

返済期間が長期となるアパート・マンションローンでは、「金利」「返済期間」「借入金額」の3つのポイントが、アパート・マンションローンの経営においても大きなポイントとなります。
経営の成否に大きく関わってくる要素ですので、慎重に契約するようにしましょう。

 

アパート・マンションローンの3つの審査ポイント

銀行などの金融機関はどのようなポイントにより、融資の可否や融資額を決定しているのでしょうか?ポイントは以下の3点です。

 

アパート・マンションローンの採算性(事業収支)

アパート・マンションローンでは賃貸住宅経営の事業性採算性が重要となります。基本的には融資金返済は賃貸収入範囲内で行なわれるという観点から審査を行います。給与収入などは、生活費その他の支払いに充当する他、万が一の返済補てんとして判断されます。

 

従って、事業の採算性についてはしっかりと金融機関側に説明し、納得を得られるものでなくてはいけません。

 

マーケティング調査や事業収支計画などの資料も整備しておく必要があります。

 

物件の担保力(価値)

アパート・マンションローンの物件担保評価は、概ね以下の3つの査定方法で査定されています。

  • 取引事例比較法→過去における類似安敬の取引価格を比較する
  • 原価法→同じ不動産を仮にもう一度同じ場所に同じ規模で建て替えた場合に掛かる原価を求め経年減価を算出し価格を査定する
  • 収益還元法→物件のもたらす収益に着目し、収益から不動産の価値を逆算する

 

賃貸物件を担保とするアパート・マンションローンでは、特に「収益還元法」が重要視される傾向にあります。

 

申込者の信用力(属性)

申込者の属性、貸していいかどうか、信用できる人物かどうかの判断です。職業、勤務先、収入、資産背景、家族構成の他、面談時の人間性などもポイントとなります。当然、信用できない人物にお金を貸す金融機関はありません。

 

話口調や服装などにもある程度注意を払う必要があるでしょう。

 

アパート・マンションローン申込時の必要書類

必要書類については金融機関により若干の差がありますが、一般的には以下のような書類が必要です。商品概要説明書などに記載されていますので、確実かつ速やかに準備しましょう。必要書類が整わなければ審査も前に進みません。不明な点は担当者に必ず事前に確認するようにしましょう。

 

申込者の個人情報に関する書類
  • 身分証明証(免許証、パスポート、保険証の写し。更に社員証や名刺の写しを要求される場合もあります)
  • 収入証明書類(サラリーマンの場合は過去3年分の源泉徴収票など、それ以外の場合は過去3年分の確定申告書の控えなど、融資申込時に納税証明書の提出を求める金融機関もあります)
  • 現金・預金関連(銀行や郵便局の預貯金通帳の写しなど)
  • 所有不動関連(登記簿謄本の写し、固定資産評価証明書の写し、固定資産税(都市計画税)納税通知書の写し、賃貸借契約書の写しなど)
  • 現在の借入状況に関するもの(ローン返済表、残高証明書など)

その他、住民票、印鑑証明書なども必要となります。

 

賃貸物件不動産に関する書類
  • ・土地建物の登記簿謄本
  • ・実測図・公図、建築確認通知書の写し
  • ・建物平面図、売買(請負)契約書の写し
  • ・重要事項説明書の写し(売買の場合)
  • ・レントロール(家賃明細表)、事業収支計画表など

 

上手に融資を引き出すには?

融資審査のポイントは、前述の「アパート・マンションローンの採算性(事業収支)」「物件の担保力(価値)」「申込者の信用力(属性)」の3点です。

 

ただしその基準は金融機関により異なり、極端な場合同一金融機関であっても担当支店により異なっています。

 

またアパート・マンションローンに積極的な金融機関もあれば、消極的な金融機関もありますので。この見極めも審査の合否に関係してきます。

 

 

すでにメインバンクとしている銀行などがあれば、そこに融資申込を行うのが最もポピュラーといえるでしょう。

過去に事業資金、ローンなどの実績があれば、審査もスムーズに進むこともあります。

 

 

メインバンクが無く、初めてアパート・マンションローン経営を行うという方は、複数の金融機関を比較して、最も条件のよい先に申込を行いたいと考えるかもしれません。しかし新規の個人がいきなり窓口を訪問し「〇〇千万円のアパート・マンションローンを申し込みたい」と申し出ても、相手にされないということもあります。

 

メインバンクが無く、融資経験のない方は、不動産業者やハウスメーカーを通じて融資を申し込むというのもひとつの手段です。

 

不動産業者やハウスメーカーは、通常はメインバンクと取引を行っていますので、個人で申し込むよりも信頼感があり、前向きに検討してもらうことができます。またそれらの会社の提携ローンを利用できれば、好条件の契約も望むことができます。

 

その他には、公的融資を活用するという方法もあります。

 

住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)、日本政策金融公庫などでアパート・マンションローン経営資金の貸付を受付しています。事前に確認のうえ、様々な方法を検討してみましょう。

 

こんな場合は要注意!

アパート・マンションローンを利用する場合、以下のような物件では融資がかなり厳しくなります。専門家や不動産業者などに相談し、慎重に進めていくようにしましょう。

 

借地の場合

借地は建物の建築主の所有する土地ではないわけですので、担保価格は基本的に0円となります。当然事業計画がすぐれていても、金融機関から融資を引き出すのはかなり厳しくなります。
とくに銀行では基本的に融資を受けることはできませんので注意しましょう。

 

再建築不可物件

購入予定の土地が将来立て替え可能かどうかのチェックは必ず行うようにしましょう。このような物件は低価格で販売されるケースもありますが、担保価格不適格として融資を受けられないこともあります。

 

また建築基準歩法の接道義務を果たさない土地には再建築ができません。「幅員4メートル以上の道路に、2メートル以上接している」という条件は必ず確認しておくようにしましょう。