原田まりるに「お金×哲学」について語ってもらう!

お金×哲学

原田まりる

作家・コラムニスト・哲学ナビゲーター
原田まりる
1985年2月12日 京都府京都市出身
哲学・性格類型論(エニアグラム)についてのテーマを中心とした執筆活動・企業研修などを行っている。「人生の意味」を追求した実存主義哲学をわかりやすくナビゲートした著書を展開。哲学の道のそばで生まれ大学在学中に芸能活動をはじめ、男装アイドルユニット風男塾のメンバーとして活動を行っていたが2013年卒業し、現在は作家として活躍中。『ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。』(ダイヤモンド出版)『私の体を鞭打つ言葉』(サンマーク出版)
公式HP https://haradamariru.amebaownd.com

 

 

 

 

では、今回原田まりるさんにお金についての哲学を語ってもらおうと思ったのか?

 

そもそも人は何故「お金を借りる」という行為をするのか?というところからこの企画はスタートしました。
もちろん、世の中にはお金を借りたことがない人もいます。

 

しかしそれは「お金を借りる」状況や立場になったことがないからなのか?
それとも他に理由があるのか?

 

人が「お金を借りる」という行為の根本には何があるのか?

 

意外と簡単そうで難しいこの疑問を解消するべく、「哲学」という難しいジャンルを私のような一般人にもわかりやすくまとめている原田まりるさんに聞いてみようと取材させていただきました。
それではご覧ください!

 

原田まりるに「お金×哲学」について語ってもらう!

 

人生にはお金が必要です。
資本主義的な世の中においては「自由」を獲得することも、時に有料になってくると思います。
「お金を持っていれば時間を切り売りして働かなくてすむ」
とか
「お金を持っていれば上司の顔色を伺わなくてよいのに」
とか
自由気ままに過ごすための対価としてお金が必要になってくるという状況は容易にイメージできます。

 

また「お金があれば、こんなことしなくていいのに」とため息をついてしまう辛い場面も多々あると思います。
ですので、自分自身のなんらかの感情(不安、喜び、悲しみなど)を満たすために「もっと手元にお金が欲しい!お金を借りたい!」と思ってしまう場面もあるでしょう。
お財布に一万円札がずらっと並べば、それだけで安心感を得られるでしょう。使ってもいいお金にゆとりがあるというのは心穏やかになるものです。

 

しかし、お金があれば本当に自由になれるのでしょうか?
「お金がある」ことで自由になって心が満たされるか、と考えるとそうでもないのかもしれません。

 

ドイツの哲学者・ショーペンハウアーの教えでこんな言葉があります。

 

「富は海水に似ている。飲めば飲むほど喉が乾くのだ」というものです。

 

原田まりるに「お金×哲学」について語ってもらう!

 

富は一度得れば、そこで満たされて満足する、というわけではなく、一度得ると「もっと欲しい!もっと欲しい!」と欲望に拍車がかかってしまう、ということを言い表した言葉です。
海水もですが、甘い炭酸ジュースを飲んだときに、喉越しはよくてもその甘さによって余計喉が乾いてしまう…ということはありますよね。

 

富もそのような性質をもっていて、一度得れば永続的に満足出来るというものではありません。お金を得るともっともっと欲しいと思ってしまうものです。

 

ショーペンハウアーはその他にも次のようなことを言っています。

 

「人生は苦悩と退屈の間をいったりきたりする振り子のようなものだ」という言葉です。

 

原田まりるに「お金×哲学」について語ってもらう!

 

この言葉もお金や富といった欲望の本質について説いた言葉になります。
どういうことかというと、人生は「あーあの車ほしいーけど無くて辛いー!」という《苦悩》がありますが、実際に欲しかった車を手にいれたとしてもしばらくすると「あーこの車にもだんだん飽きてきたなー。」という《退屈》に見舞われる、ということです。

 

つまり
「車欲しい!けど無くて辛い!」《苦悩》

「買ったけどしばらくしたら飽きた」《退屈》

「もっと別の車がほしい!けど無くて辛い!」《苦悩》

 

という《苦悩》と《退屈》の間をいったりきたりするだけで、欲望を持つかぎり、一生満足する、ということは難しいといった意味になります。
手に入った時はうれしくても、次第に慣れてしまいだんだん飽きてくるというのは日常で何度も経験したことのあるのではないでしょうか。

 

例えば
新しいゲームが発売されて「欲しい!」と思って買ってもやりこんでいるうちに飽きてきてしまう経験。
「好きだ!」と思って念願付き合えたとしても、一緒にすごす時間が日常になっていくうちになんとなく惰性になっていく男女の関係……
などなど、欲望が一旦満たされてしまうと、しばらくすると人は刺激不足になり飽きや退屈さを感じてしまうものなのです。

 

欲望が満たされないときは一種の興奮状態ですが、いざ手に入ってしまうとしだいに飽きがきて、また別の欲望が燃え始める。
そして、手に入ってしばらくするとまた飽きてくる。
つまり人の「欲望」というのは瞬間的に満たされたとしても、それにより永続的な満足が得られるか?というとそうでもないのです。

 

欲望とは、一瞬満たしても永続的には満たされないものなのです。
そのような欲望の本質を捉えていると、欲望に溺れなくてすむのではないでしょうか。

 

原田まりるに「お金×哲学」について語ってもらう!

 

最初のお金の話に戻すと、一瞬の欲望や感情を落ち着かせるために、お金を借りてもそれは瞬間的な満足にすぎないというわけです。
その時はよかったとしても、そのお金の額に見合っただけの欲望が生まれてくる。
お金があると、お金がない時には、思い浮かばなかったような、使い道がひらめいてしまうものなのです。

 

例えば「良いカバンがほしい」とか「いいもの食べたい」とかもそうですね。
お金がないときには思いつかなかったひらめきに、理性が負けてしまっていては苦悩と退屈のループにどっぷり溺れてしまうことになります。
一瞬の欲望に惑わされずされず、欲望をコントロールできる理性をもったほうが、人は自由でいることができます。
欲望を満たすため、という理由でお金をかりるのは不自由のはじまりともいえるでしょう。

 

 

 

 

 

いかがでしたか?
お金を借りる」という行為について詳しく説明して頂けましたね。
欲望とお金の関係性。
普段人が生活していく上で切っても切り離せない2つ要素ですが、あまり考えないで過ごしている方も多かったのではないでしょうか?
今回の取材を通して皆様が少しでも「お金」について考えるきっかけになればと私共は願っております。